虐待と突然死は乳児期における重大な脅威です
このサイトは、
90年代に「うつ伏せ寝の危険」について書いた「うつぶせ寝を考える会」のサイトにはじまります。 SIDS家族の会のサイトとともに危険の啓蒙に一定の効果があったと思いたいところです。
20世紀後半から乳幼児の安全をおびやかす大きな存在として、注目されるようになった現象に乳幼児突然死と虐待があります。 かつての米国などでは「乳幼児突然死イコール虐待の嫌疑」だったのです。 これに対応して英語圏諸国は虐待防止法制とSIDS法制の整備を進めてきました。 このふたつは厳罰と免責という正反対の方向を持っていてコモン・ローの厳罰主義をエクイティー(衡平法)による救済でバランスをとろうとする英米法の伝統が色濃く投影しています。 全体としては厳罰が免責に先行しています。
わが国のSIDS法制は逆に免責の論理が先行しました。 SIDSの思想は、個人の心の救済を含むものの、行政責任や経営責任を免除する概念ではなかったのですが、多くの裁判において組織への免責を乳幼児の安全より優先させる論拠として使われました。 本来、乳幼児の突然死を減らすはずの概念が、逆の方向に使われたというべきです。
2008年3月の日本SIDS学会での発表は「虐待」についての発表が非常に目立っていました。SIDSの理念的な定義はさておき、現実のSIDS診断は、乳幼児突然死(SID)であって(事故死+虐待死+既知の病気による死亡)にあてはまらないものを乳幼児突然死症候群(SIDS)または不詳の死とするというものである以上、虐待死かどうかの診断は不可欠なのです。 乳幼児の安全を推進する立場からは歓迎すべき流れでありますが、虐待についての話や証拠写真が衝撃的であるということもありSIDSの病理を追究する発表も、もっとほしいところです。
但し、最近では乳幼児の死亡を減らそうとする学際活動がSIDSという言葉をはずし始めています。ESPID(European Society for the Study and Prevention of Infant Death)はSIDS-GSTF (SIDS Global Strategy Task Force)と合併してISPID (International Society for the Study and Prevention of Infant Death)になりました。


